2013年07月21日

情緒性の重視

自己の向上

 北米仏教のもう一つの特徴として、仏教文化そのものの若さがあるように思います。

 北米仏教書の中で強調される言葉の中に、「self-enhancement自己の向上」や「self-transformation自己の変革」といったものがあります。

 「心身を鍛え、自己を磨き生活の向上と変革を目指していこう」というエネルギッシュな面があります。

 仏教文化そのものが、まだまだ北米では新しい若い文化であることの証であるといえるかもしれません。

 この文化としての「若さ」もまた軽視することのできない重要な特徴だといえそうです。

情緒性の重視

 もう一つ、これまでに気がついた北米仏教の特徴に、情緒性の重視がみられます。

 北米の寺院を見ていると、「個」のもつ感情や思想に非常に寛容であるばかりか、それらをむしろ重視する場面も多くあるように感じます。

 女性が中心となっていることとも関係があるのかもしれませんが、日本の寺院に父性を感じるのに対し、北米仏教寺院には何かしらの母性を感じます。

 家庭をもつ子育て経験のある女性が社会の重要なポストを占めている北米社会の有り方そのものが、寺院のコミュニティーの中にも自ずと表れてきているのかもしれません。

 この情緒性を重んじる傾向もまた、軽視することはできないように感じます。


Posted by Gyokei Yokoyama at 05:14