2013年07月29日
北米サイドの仲間
1999年。20歳のとき、永平寺国際部・人権擁護室での仕事を通して知り合った中国やオーストラリア、ヨーロッパ、北米の僧侶らから日本の枠の外にある仏教寺院の諸活動について教わりました。
2006年。The Japan Timesの新聞記事を通して、知ったニューヨークに拠点をかまえるバーナード・徹玄・グラスマン老師のZen Peacemakersによる諸々の平和活動。その中でも、ユダヤ人である徹玄老師によるアウシュビッツ強制収容所で殺戮されたユダヤ人と殺戮をしたドイツ人兵士の子孫がそれぞれに方を並べて座禅をする「Bearing Witness」や、都市の中央で乞食として生活をする「Street Retreat」などは仏教を過去の歴史のなかでしかみることのなかった自分には強烈な衝撃であり、日本仏教の枠を飛び出そうと思う大きな刺激になったことに間違いはありません。
バーナード・徹玄・グラスマン老師は、曹洞宗を脱退してしまわれましたが、ありがたいことに、その兄弟弟子や老師お弟子さんたちとは今もご縁があり、たまに連絡を取り合っています。
円形に座禅を組みワークショップ形式でカウンセリングをする「Zen Peacemakers Circle」のメンターをしてくださったマギー・グレゴリー氏、保育施設などさまざまな事業をされている徹玄老師の側近ともいえるフランシスコ氏、医師の仕事をされながらZen Peacemakersの活動をされているスイスのご夫妻。
そして昨年日本に来た徹玄老師の弟弟子のポール・カーン・玄気氏。
他にも、サンフランシスコ禅センターで知り合った青年で、韓国の禅僧から教わったというマーシャルアーツと禅をカリフォルニア州オレンジ・カウンティーを中心に指導されているジェイク氏。
そして今回、親身になってサポートをしてくださっているロングビーチ仏教教会のメンバーの方々。
日本サイドで支援をしてくださっている方たちの他に、北米サイドでこれだけ仲間がいる状態で活動をスタートできるというのは大変恵まれていると思います。
2006年。The Japan Timesの新聞記事を通して、知ったニューヨークに拠点をかまえるバーナード・徹玄・グラスマン老師のZen Peacemakersによる諸々の平和活動。その中でも、ユダヤ人である徹玄老師によるアウシュビッツ強制収容所で殺戮されたユダヤ人と殺戮をしたドイツ人兵士の子孫がそれぞれに方を並べて座禅をする「Bearing Witness」や、都市の中央で乞食として生活をする「Street Retreat」などは仏教を過去の歴史のなかでしかみることのなかった自分には強烈な衝撃であり、日本仏教の枠を飛び出そうと思う大きな刺激になったことに間違いはありません。
バーナード・徹玄・グラスマン老師は、曹洞宗を脱退してしまわれましたが、ありがたいことに、その兄弟弟子や老師お弟子さんたちとは今もご縁があり、たまに連絡を取り合っています。
円形に座禅を組みワークショップ形式でカウンセリングをする「Zen Peacemakers Circle」のメンターをしてくださったマギー・グレゴリー氏、保育施設などさまざまな事業をされている徹玄老師の側近ともいえるフランシスコ氏、医師の仕事をされながらZen Peacemakersの活動をされているスイスのご夫妻。
そして昨年日本に来た徹玄老師の弟弟子のポール・カーン・玄気氏。
他にも、サンフランシスコ禅センターで知り合った青年で、韓国の禅僧から教わったというマーシャルアーツと禅をカリフォルニア州オレンジ・カウンティーを中心に指導されているジェイク氏。
そして今回、親身になってサポートをしてくださっているロングビーチ仏教教会のメンバーの方々。
日本サイドで支援をしてくださっている方たちの他に、北米サイドでこれだけ仲間がいる状態で活動をスタートできるというのは大変恵まれていると思います。
Posted by Gyokei Yokoyama at
00:43
2013年07月21日
北米仏教の活動範囲
これまでに、マサチューセッツ州モンテギューにあるZen Peacemakers Maezumi Institute、ニューヨークのエアモントにあるZen Garland、ブルックリンのBrooklyn Zen Center、ブロードウェイにあるVillage Zendo、そしてカリフォルニアにあるGreen Gulch、桑港寺、サンフランシスコ禅センター、ロサンゼルスの禅宗寺、そしてロングビーチのロングビーチ仏教教会を訪問し、一方でドイツのベルリンで活動をする母校を同じくする僧侶とも少し連絡を取りながら欧州・北米文化圏内におけるR1ビザ(宗教者ビザ)の活動範囲を調べてきました。
2006年に訪れたZen Peacemakersでは、Zen Peacemakers Circleと呼ばれる円形をつくって坐禅を組み互いの感情や考えについて意見を交わすカウンセリング活動について講習を受けました。
ニューヨークのZen Garlandでは、カトリック系キリスト教徒との宗教間対話活動やヨガを中心とした活動を知りました。また、ブロードウェイにあるVillage Zendoにはファッションデザイナーなども参加しており禅の芸術や都会に住む人たちを対象とした活動を見てきました。
ブルックリン禅センターでは、地元の教育委員会と連携を組み、高校生を対象に「気づき」の授業を週に定期的に行い命の大切さや自分たちの感情の変化について記録を付ける活動が行われていました。
他にも、自分の感情に気づくクリエイティブ ライティング、修行として心静かに行うおこなう料理や掃除といった活動もあります。
一方、カリフォルニアのGreen Gulch農場では、就職戦線で疲れた若者たちが集う農場でのゆったりとした修行のかたちがありました。ここでは、ガーデニングやそれで作った野菜の調理や、花の販売といったことも行われているようです。
また、カナダのトロント禅センターでは、オンタリオ北部の湖や森のなかで行うメディテーティブ カヌーイングやトレッキングも行われていました。
とうぜん、こうした活動の中心には、読経や坐禅、作務といった伝統的な修行方法があるのですが、時代や国柄を反映した新しい活動が生み出されています。
日系寺院である桑港寺やロングビーチ仏教教会では、たこ焼きなどを販売するバザーや七五三、七夕、盆踊りといった日系社会の需要を反映した活動が行われきたようです。
桑港寺はサンフランシスコの日本人街の中心にあることもあり、メンバーの多くは今も日本語でコミュニケーションをとってみえます。永平寺の直接の末寺ということもあってか、日本人の心の拠り所として存在しているような印象を受けます。
一方、ロングビーチ仏教教会は、檀家制度を維持していくだけではかなり厳しい状況にあり、新しい制度や活動が求められているようです。メンバーの多くが英語でコミュニケーションをとっていることもあり、仏教活動に対する考え方も北米文化圏のスタイルに近いようです。
そういった意味では、ロングビーチ仏教教会は、これまでに訪問し、つながりを築いてきた禅センター系団体と連絡を取りながら活動ノウハウが活かしていきやすいのかもしれません。
宗教者ビザを取得して米国に入る場合、その活動範囲は宗教活動に限定されてしまいます。しかし、他の北米の禅センターの活動を見ているとその活動範囲に限りはないようにさえ感じます。
Posted by Gyokei Yokoyama at
21:18
2013年07月21日
情緒性の重視
自己の向上
北米仏教のもう一つの特徴として、仏教文化そのものの若さがあるように思います。
北米仏教書の中で強調される言葉の中に、「self-enhancement自己の向上」や「self-transformation自己の変革」といったものがあります。
「心身を鍛え、自己を磨き生活の向上と変革を目指していこう」というエネルギッシュな面があります。
仏教文化そのものが、まだまだ北米では新しい若い文化であることの証であるといえるかもしれません。
この文化としての「若さ」もまた軽視することのできない重要な特徴だといえそうです。
情緒性の重視
もう一つ、これまでに気がついた北米仏教の特徴に、情緒性の重視がみられます。
北米の寺院を見ていると、「個」のもつ感情や思想に非常に寛容であるばかりか、それらをむしろ重視する場面も多くあるように感じます。
女性が中心となっていることとも関係があるのかもしれませんが、日本の寺院に父性を感じるのに対し、北米仏教寺院には何かしらの母性を感じます。
家庭をもつ子育て経験のある女性が社会の重要なポストを占めている北米社会の有り方そのものが、寺院のコミュニティーの中にも自ずと表れてきているのかもしれません。
この情緒性を重んじる傾向もまた、軽視することはできないように感じます。
北米仏教のもう一つの特徴として、仏教文化そのものの若さがあるように思います。
北米仏教書の中で強調される言葉の中に、「self-enhancement自己の向上」や「self-transformation自己の変革」といったものがあります。
「心身を鍛え、自己を磨き生活の向上と変革を目指していこう」というエネルギッシュな面があります。
仏教文化そのものが、まだまだ北米では新しい若い文化であることの証であるといえるかもしれません。
この文化としての「若さ」もまた軽視することのできない重要な特徴だといえそうです。
情緒性の重視
もう一つ、これまでに気がついた北米仏教の特徴に、情緒性の重視がみられます。
北米の寺院を見ていると、「個」のもつ感情や思想に非常に寛容であるばかりか、それらをむしろ重視する場面も多くあるように感じます。
女性が中心となっていることとも関係があるのかもしれませんが、日本の寺院に父性を感じるのに対し、北米仏教寺院には何かしらの母性を感じます。
家庭をもつ子育て経験のある女性が社会の重要なポストを占めている北米社会の有り方そのものが、寺院のコミュニティーの中にも自ずと表れてきているのかもしれません。
この情緒性を重んじる傾向もまた、軽視することはできないように感じます。
Posted by Gyokei Yokoyama at
05:14
2013年07月18日
北米文化圏の仏教
北米には、日本や中国、韓国より伝わる北伝仏教の他、タイ、ベトナムの僧侶が伝える南方仏教、チベット仏教などがあります。
なかでも、不遇で世界の注目を集めるチベットの仏教はダライラマの教えもあって幅広い層に受け入れられているようです。
仏教といえば、生まれ変わりを説く輪廻転生について訊かれることが多いのも、チベット仏教の教えの影響が強いからではないかと思います。
また、創価学会など新興教団も在家の信者リーダーが中心となって活発に活動をしています。自分が住んでいるハンツビルでは、仏教=創価学会という認識が定着しているようにさえ思います。
海外の布教活動のレベルの高さでは、たしかに創価学会は一歩先を歩んでいるという感じがします。
一方、禅宗は、D.T.Suzuki博士の著書による影響に始まり、米国人僧侶が「老師」というタイトルを自称するようになり、そのお弟子さん、孫弟子さんが各地で教えを広めています。
今では特別な市民権を既に得ているようで「Zen」といえば、フィットネスクラブ、ヨガスタジオ、ベジタリアン レストランの看板、健康食品や健康美用品などのパッケージに頻繁に使われているようです。
北米の「Zen」宗仏教の幅は、ヴィパサナ瞑想、ヨガ、フィットネス、ベジタリアン料理、気功、合気道、ヒーリング カウンセリング、また瞑想法としてのカヌーやトレッキングなど個々人の心身の向上を目的とした活動から、平和を重んじる仏教思想をベースにした、コンフリクト リゾルーションと呼ばれる個人レベルでの和平交渉術、コンテンプラティブ カウンセリングから、宗教間対話、人種間・民族間の平和推進活動といったとてもスケールの大きな活動までといろいろです。
こうした発展を遂げるZen宗のキーワードとして浮かび上がってくる人のが、個々人の「健康」・「自然」との調和・個人や団体間の「対話」「理解」・世界の「平和」といったものです。
実際に、北米文化圏内にて宗教者ビザ(R1ビザ)を取得して布教活動を行う場合、これらのキーワードを念頭に置いておくことが肝要であると思います。
北米仏教は、修行や供養などの活動を中心とする日本仏教と基本的に社会に対するスタンスは似ています。しかし、異なる団体との「対話」活動や、社会への積極果敢な「平和」活動の二点については、北米ならではの色合いを帯びているように思います。
新天地のロングビーチ教会からの要請と、北米仏教の路線、自分がめざすものが、この「対話」と「平和」の活動の点でいずれも一致してくるように思います。
カナダの仏教文化はまだまだ未知の領域ですが、ここで見聞きしたことを少しでも今後の活動に活かして生きたいものです。
なかでも、不遇で世界の注目を集めるチベットの仏教はダライラマの教えもあって幅広い層に受け入れられているようです。
仏教といえば、生まれ変わりを説く輪廻転生について訊かれることが多いのも、チベット仏教の教えの影響が強いからではないかと思います。
また、創価学会など新興教団も在家の信者リーダーが中心となって活発に活動をしています。自分が住んでいるハンツビルでは、仏教=創価学会という認識が定着しているようにさえ思います。
海外の布教活動のレベルの高さでは、たしかに創価学会は一歩先を歩んでいるという感じがします。
一方、禅宗は、D.T.Suzuki博士の著書による影響に始まり、米国人僧侶が「老師」というタイトルを自称するようになり、そのお弟子さん、孫弟子さんが各地で教えを広めています。
今では特別な市民権を既に得ているようで「Zen」といえば、フィットネスクラブ、ヨガスタジオ、ベジタリアン レストランの看板、健康食品や健康美用品などのパッケージに頻繁に使われているようです。
北米の「Zen」宗仏教の幅は、ヴィパサナ瞑想、ヨガ、フィットネス、ベジタリアン料理、気功、合気道、ヒーリング カウンセリング、また瞑想法としてのカヌーやトレッキングなど個々人の心身の向上を目的とした活動から、平和を重んじる仏教思想をベースにした、コンフリクト リゾルーションと呼ばれる個人レベルでの和平交渉術、コンテンプラティブ カウンセリングから、宗教間対話、人種間・民族間の平和推進活動といったとてもスケールの大きな活動までといろいろです。
こうした発展を遂げるZen宗のキーワードとして浮かび上がってくる人のが、個々人の「健康」・「自然」との調和・個人や団体間の「対話」「理解」・世界の「平和」といったものです。
実際に、北米文化圏内にて宗教者ビザ(R1ビザ)を取得して布教活動を行う場合、これらのキーワードを念頭に置いておくことが肝要であると思います。
北米仏教は、修行や供養などの活動を中心とする日本仏教と基本的に社会に対するスタンスは似ています。しかし、異なる団体との「対話」活動や、社会への積極果敢な「平和」活動の二点については、北米ならではの色合いを帯びているように思います。
新天地のロングビーチ教会からの要請と、北米仏教の路線、自分がめざすものが、この「対話」と「平和」の活動の点でいずれも一致してくるように思います。
カナダの仏教文化はまだまだ未知の領域ですが、ここで見聞きしたことを少しでも今後の活動に活かして生きたいものです。
Posted by Gyokei Yokoyama at
02:44
2013年07月15日
カリフォルニア案再浮上
カナダのオンタリオ州トロント市から車で3時間ほどのところにあるハンツビルという田舎町に、昨年10月から移り、2月に生まれた息子とカナダ人の妻の世話をしながら既に8ヶ月がたちました。
ダウン症に伴う心臓の疾患により、二度目の手術をトロント市で待っているところです。北米で3番目の規模の小児科病院というだけあり、全国から搬送される急病の小さな子どもさんの手術が入れば、緊急性の低い他の子たちの手術は数時間前であっても延期されてしまいます。
レオの手術は、4ヶ月から6ヶ月の間に行われなければならない為、今回は延期されることなく予定通りに手術が行われることをひたすら祈っています。
多くの方たちに息子の手術の成功を祈って頂き大変ありがたく思っております。
レオの出生後、息子がダウン症であることをオリリアの小児科医から宣告されたとき、妻のミアも私も当初予定していたカリフォルニアのロングビーチにある仏教教会への派遣は完全に諦めました。
米国では、日本のような健康保険制度はないため、レオに必要な医療保険を自分たちで確保しなければならず、費用的な面で断念をするしかないと考えたのです。
この数ヶ月の間に、カナダへの永住申請に必要な書類をすべて揃えあと宣誓供述書が一つそろえば移民局を通してマニラの大使館で審査をしてもらう予定でした。
しかし、病気の子どもとともにカナダで自分が就労権と仕事に必要な資格を得て、その後就職活動をする期間、生活をやりくりしていくのは厳しいという現実的な生活の問題と、カリフォルニアでのプロジェクトにはリスクと同じだけ可能性もあるという期待から、再度ロングビーチ仏教教会の理事会の方たちと北米総監のルメー氏に連絡をとり、計画を進めることになりました。
子どもや妻のこともあり、ロングビーチ仏教教会の方たちも随分と親身になってくださり、去年とはまた違った意味でコミュニティー活動への思い入れが強くなってきました。生まれもってきた環境から、日本では決して果たすことのできなかった目的を、米国・カナダで少しずつ実現していきたいと思います。
2006年に訪れたマサチューセッツ州モンテギューのZen Peacemakers Orderの仲間とも、また少しずる連絡を取り始めました。
バーナード・グラスマン老師やウェンディー慧玉老師、円教オハラ老師ら、北米仏教界の中心に立つ方たちのお弟子さんたちの世代の中に、仲間感覚で仲良くさせていただいている方たちがいます。
自分たちの世代の僧侶が関わっていくのは、Zen Peacemakersの仲間も含め、おそらくこの世代の人たちになるような気がしています。
Posted by Gyokei Yokoyama at
11:02